スーパーバイク世界選手権(SBK)最終戦の第12戦オーストラリア・ラウンドのレース1が、11月19日にフィリップアイランド・サーキットで開催され、ドゥカティにとって歴史的な土曜日となった。レース1は雨により複雑な展開となり、フラッグ・トゥ・フラッグ(異なるタイヤを装着したマシンへの乗り換えを許可する)ルールが適用された。Aruba.it Racing - Ducatiチームのアルバロ・バウティスタは、ドライコンディションで開催された予選でポールポジションを獲得したものの、決勝レースでは5位でフィニッシュ。チームメイトのマイケル・リナルディは3列目からスタートして11位となった。しかし、この結果、Aruba.it Racing - Ducatiチームに素晴らしい栄冠がもたらされた。
前戦のインドネシア・ラウンドでバウティスタがライダーズ・タイトルを獲得したのに続き、今回のオーストラリアでは、コンストラクターズ・タイトルとチーム・タイトルが確定した。
これは、ドゥカティにとって18回目のコンストラクターズ・タイトルであり、スーパーバイク世界選手権における最多記録となっている。1991年にドゥカティ888を駆るダグ・ポーレンが最初のタイトルを獲得し、栄光の歴史が始まった。その後、カール・フォガティがドゥカティ916とドゥカティ996でタイトルを獲得し、トロイ・ベイリスは3つの異なるマシン(ドゥカティ996 R、ドゥカティ999、ドゥカティ1098)で伝説的な偉業を成し遂げた。ドゥカティ1098 Rによる栄光から11年の歳月を経て、今日、ドゥカティ・パニガーレV4 Rが新たな歴史の扉を開いた。
インドネシアではアルバロ・バウティスタがライダーズ・ワールド・タイトルに輝き、今回、チーム・タイトルも獲得したことにより、喜びも2倍となった。2015年からSBKに参戦しているAruba.it Racing - Ducatiチームにとっては、2020年に続く2回目のチーム・タイトル獲得となった。
これにより、ドゥカティは、MotoGPに続き、SBKでも3冠を獲得し、ドゥカティの歴史に、最高の栄誉が記されることになった。
ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー):
「アルバロ・バウティスタがSBKのライダーズ・タイトルを獲得したのに続き、コンストラクターズ・タイトルも獲得できたことは、私たちにとって大きな誇りだ。これは重要な目標であり、ドゥカティ・コルセのスタッフによる献身的な働き、情熱、努力の賜物だ。今回のSBKコンストラクターズ・タイトルは、ドゥカティにとって18回目の栄誉で、2019年から高い戦闘力を示してきたパニガーレV4 Rで獲得した最初のタイトルでもある。しかし、何より、このマシンの特性を理解して意のままにコントロールし、この歴史的な成功を達成してくれたすべてのドゥカティ・ライダーに感謝したい。また、今シーズン、SBKチーム・タイトルを獲得したAruba.it Racing - Ducatiチームも祝福したい」
セラフィーノ・フォティ(Aruba.it Racing - Ducatiチーム・マネージャー)
「今シーズンは、私たちにとって記念すべき年となった。私たちはすべてのタイトルを獲得し、大きな喜びで満たされている。チーム全体に心から感謝したい。素晴らしいスタッフの働きなしに、このタイトルを獲得することは不可能だったと思う。また、私が言うチームには、自宅で仕事をし、パフォーマンスを高めるために日々取り組んでいるすべてのスタッフも含まれている。また、熱心なサポートを提供してくれた、すべてのスポンサーの皆様にも感謝したい。このチームの一員であることを心から誇りに思う」
アルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducatiチーム #19) 5位
「今回は、非常に難しいレースとなった。ウェット・セッティングのマシンにドライタイヤを履いていたので、マシンのフィーリングを見つけることができなかった。しかし、シーズンを通してハードワークを続けてきたことで、最高の結果を得ることができた。コンストラクターズ・タイトルとチーム・タイトルの獲得に貢献できたことを誇りに思う。マイケルとチーム全体にとっても満足できる結果となった」
マイケル・リナルディ(Aruba.it Racing – Ducatiチーム #21) 11位
「今シーズンに達成した結果には、とても満足している。アルバロは素晴らしいチームに支えられて、ライダーズ・タイトルを獲得した。そして、僕たちは並外れたチームであることを示すことができた。コンストラクターズ・タイトルの獲得は、僕たちのマシンが素晴らしい戦闘力を備えていることを意味し、イタリア人として誇りに思う。何年もAruba.it Racingファミリーとともにレースに参戦してきたので、チーム・タイトルを獲得することができて本当に嬉しい」
ニコロ・ブレガは、レース1を2位でフィニッシュし、今シーズン9回目のWorldSSP表彰台を獲得した。2番グリッドからスタートしたイタリア人ライダーのブレガは、序盤に苦戦して表彰台グループから後退。しかし、その後はペースを取り戻してハードにプッシュして3番手までポジションを挽回、フェデリコ・カリカスロ(ドゥカティ)のクラッシュによって2位でチェッカーを受けた。
ニコロ・ブレガ(Aruba.it Racing WSSPチーム #11) 2位
「今日の結果には満足している。困難な時期を経て、やっと表彰台に戻ることができた。もっとペースを上げることができたのかもしれないが、レインタイヤがどのような挙動を示すのかが分からなかった。そのため、最初の数周はミスをしないように努めた。これまで素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したい。僕たちは、ドライコンディションでもウェットコンディションでも速いことを示すことができた。明日も素晴らしい結果を目指したい」