2018 MotoGP第13戦のサンマリノGPが9月9日にミザノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェッリで開催され、ドゥカティチームのアンドレア・ドヴィツィオーゾが地元イベントを制した。ドヴィツィオーゾは2列目からのスタート。6周目にチームメイトを抜き去って首位に立った。その後は一貫してポジションを守り、チェッカー時点では2位のマルク・マルケス(ホンダ)に2.8秒の差をつけていた。
ロレンソは、昨日の予選でポールポジションを獲得したものの不運なレースとなった。ロレンソは、5周目まで首位を走行していたが、6周目にドヴィツィオーゾにオーバーテイクされた。その後はマルケスと激しいバトルを展開したものの、残り2周のクエルチア・コーナーで転倒。すぐにレースに復帰したが、17位まで順位を落としていた。
ワイルドカード参戦したドゥカティ・テストチームのミケーレ・ピッロは、厳しいレースを強いられた。5列目からスタートしたピッロは、15位でフィニッシュラインを通過した。
今日の勝利により、ドヴィツィオーゾはチャンピオンシップ・ポイントを154として、ランキング2位に浮上し、マルケスとのポイント差を67とした。一方、ロレンソは130ポイントのままとなり、ランキングを4位となっている。マニュファクチャラーズ部門では、ドゥカティは233ポイントで2位。首位ホンダとのギャップを23ポイントに縮めた。
次戦のアラゴンGPは、9月21日~23日に、スペイン・アラゴン州アルカニス近郊のモーターランド・アラゴンで開催される。
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Ducati MotoGPチーム #04) 1位
「ここ数年は僕自身もドゥカティもこのサーキットと相性が良くなかったので、どうしても勝ちたかった。8月のテストでは、重要な一歩が示されただけでなく、レースでも戦闘力を発揮できることが確認できた。今週末はかなり難しいコンディションだったが、一貫して良い仕事ができた。ホルヘとマルクは手強くて、僕が勝つには完璧なパフォーマンスを示さなければならなかった。スタートする時は気持ちも充実していたし、レース戦略に完全に集中していた。首位に立った時は、ほんのわずかだがアドバンテージがあった。それをフィニッシュまで活かすことができた。本当に嬉しい。ミザノでの勝利はドゥカティにとっても重要だが、僕にとっても重要だ。数年前だったら、叶わぬ夢と思っていただろう。だが、こうして実現できたので、満足感に溢れている」
ホルヘ・ロレンソ(Ducati MotoGPチーム #99) 17位
「期待したようなレースではなかった。戦闘力はあったので、優勝争いに加われると思っていた。今日はこの数日よりかなり気温が高く、グリップレベルは理想的とは言えなかったので、自分の好みよりも固いコンパウンドを選択するしかなかった。ブレーキングしても思うようにスピードが落ちず、かなり苦労させられた。ターンインではフロントが言うことを聞いてくれなかった。本当に厳しい状況で、これがクラッシュの原因となった。マルケスとのバトルで大きくタイムをロスしている間に、アンドレア(ドヴィツィオーゾ)にギャップを開けられた。今後はどのようにしてマシンを進化させるか、次のレースまでにラップタイムを縮めて行けるのか、データを分析してしっかりと見極めたい」
ミケーレ・ピッロ(Ducati Test Team #51):15位
「今日はアンドレアが優勝して、ホルヘは最後まで優勝争いに加わっていた。あのままならばドゥカティの1-2でも不思議ではなかった。僕について言えば、スタートが悪くてレースを台なしにしてしまった。オープニングラップ終了時点で12番手だった。そこからは困難しかなかった。いくつかポジションを上げたものの、終盤は身体的にかなり厳しかった。ムジェロではクラッシュに終わったが、まだ自分に戦闘力があり、いつかはトップグループに加われると分かったことが嬉しい」
クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディングS.p.A.最高経営責任者)
「ミザノでの勝利は格別だ。我々の本拠地は、ここからほど近いボローニャにあり、いつもファンの皆さまに温かいサポートをいただいている。ドゥカティは今、素晴らしい時期にいる。過去3戦、両ライダーが優勝している。率直に言って、今日のアンドレアに敵はいなかった。クリアな気持ちでレースに臨めていた。彼は完璧にレースを掌握し、見事なペースで走行し、しかも必要な時にプッシュできていた。ホルヘは気の毒だった。素晴らしいレースをしていたし、表彰台に登壇して当然だと思う。チェッカーまで数kmに迫るまで、ドゥカティの1-2フィニッシュが見えていた。いずれにしても、今日は喜ぶべき日であると同時に、たとえ厳しい状況でも必ず我々をサポートしてくれるファンと、常に献身的に仕事を続けて、こうして真の意味で驚異的なマシンを作ってくれたボルゴ・パニガーレのスタッフに感謝の意を表したい。過酷なストップ&ゴーを繰り返すミザノでは毎回厳しい戦いを強いられ、ストーナー以来、勝つことができなかった。このサーキットで勝つことができたのは、ドヴィツィオーゾが完全で成熟したライダーであるだけでなく、デスモセディチのセットアップが完璧だったからだ。最後に、弊社エンジニア全員にお礼を言いたい。また、今回のレースでは残念な結果になってしまったホルヘにも激励を送りたい。ドーヴィは、本当に驚異的なレースを見せてくれた」
ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)
「今日のリザルトに関しても、そしてマシンに関しても、我々は大いに喜ぶべきだろう。ふたりのライダーはもとより、テクニカル面でも一貫して素晴らしい仕事ができた。ドヴィツィオーゾは、見事なパフォーマンスで優勝を勝ち取った。ロレンソはクラッシュに終わったが、息を呑むようなオーバーテイクで私をワクワクさせてくれた。同じシーズンにムジェロとミザノの両方を制したことは、本当に特別だ」