MotoGP第16戦の日本GPが、9月25日にモビリティリゾートもてぎで開催され、ドゥカティ・レノボ・チームのジャック・ミラーがドゥカティ・ライダーとして通算3勝目を挙げた。オーストラリア人ライダーのミラーは、このレースで圧倒的なパフォーマンスを見せ、2位のブラッド・ビンダー(KTM)に3秒以上の大差をつけてフィニッシュラインを通過した。ドゥカティ・デスモセディチGPを駆るプラマック・レーシング・チームのホルヘ・マルティンも3位に入って、表彰台に登壇した。
3列目の7番グリッドからスタートしたミラーは、スタート直後にポジションを3つ挽回し、2周後にはビンダーとマルティンを巧みにオーバーテイクしてトップに立った。
ミラーは、その後も非常に速いペースで走行を続け、もてぎの決勝レースにおける新記録(1分45秒198)を達成した。ミラーにとって、これはMotoGPキャリア通算4勝目となる。さらに、今回の勝利で、ドゥカティは今シーズン11勝目を挙げ、2007年シーズンにドゥカティが獲得した勝利数の記録に並んだ。
昨日の雨で苦戦して予選12番手となったチームメイトのフランチェスコ“ペッコ”バニャイアにとって、今日は後方から追い上げなければならない厳しいレースとなった。“ペッコ”は、残り数周で8番手を走行するチャンピオンシップ・リーダーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)に追いつくことに成功したが、最終ラップで彼をオーバーテイクしようとしたときにミスを犯してクラッシュした。今回のレースの結果、バニャイアは、ライダーズ・ランキング・トップのクアルタラロと18ポイント差で2位につけている。ミラーは、合計159ポイントを獲得して5位を維持している。
ライダーズ・タイトルに加え、チーム・タイトルもまだ確定していないが、ドゥカティ・レノボ・チームは、2位のチームに53ポイントの差をつけてリードを保っている。
ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム #43) 1位
「金曜日の最初のセッションから、デスモセディチGPのフィーリングがとても良かったが、今日のレースでも同じ感覚で走ることができた。これまで、ウェット・コンディションは得意としてきたが、昨日の予選では7番手となり残念だった。しかし、今日のレースは違っていた。良いスタートを切ることができて、リードを奪ってからは自分のペースで走ることに集中した。これまでの人生で、これほどうまくいったレースはなかった。最高のレースだった。また、ドゥカティ・レノボ・チームで再び勝利を収めることができてとても嬉しい。何より、常に全力を尽くしてくれているチーム・メンバーと3回目の優勝を一緒に祝うことができて最高の気分だ」
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム #63) リタイア
「まず、今日のクラッシュは私のミスによるものだった。チームに謝罪したい。午前中のウォームアップと比べて、マシンのフィーリングが悪く、ファビオをオーバーテイクしようとしてリスクを負いすぎた。もし、彼をオーバーテイクできれば、ビニャーレスのミスを誘ってさらに順位を上げることができるかもしれないと思っていた。いずれにしても、今回のミスを反省したい。今日の唯一の収穫は、ジャックが優勝したことだ。今は集中力を切らさずに、日曜日にタイのブリラムで開催される次のレースについて考えたい」
ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)
「ジャックの勝利を祝福したい。彼は素晴らしい人物で、MotoGP最速ライダーの1人だ。今日の彼は明らかに誰よりも速かった。完璧に走り、信じられないようなオーバーテイクを行い、トップを独走しているにも関わらず、非常に速いペースを維持した。彼はこの勝利に値する素晴らしい走りをした!もちろん、“ペッコ”のクラッシュは非常に残念だったが、ワールド・タイトルを獲得するために全力を尽くして戦っているライダーには起こりうることだと思う。今日のレースのことは水に流して、何事もなかったかのように次のレースに集中する必要がある」
MotoGP第17戦のタイGPは、1週間後の9月30日~10月2日にブリラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催される。