ワールド・チャンピオン!
フランチェスコ・バニャイアが、2022年MotoGP世界選手権のワールド・チャンピオンを獲得。MotoGP第20戦のバレンシアGPが、11月6日にバレンシア・サーキットで開催され、ドゥカティ・レノボ・チームのフランチェスコ“ペッコ”バニャイアが9位でフィニッシュし、自身初のMotoGPワールド・タイトルを獲得した。バニャイアは、チャンピオンシップ後半に、他のどのライダーも達成したことがない歴史的な巻き返しを図り、大きなポイント差を逆転してタイトルを獲得した。バニャイアは、第10戦のドイツGP終了時点で、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)に91ポイントの差をつけられていたが、フィリップ・アイランドで開催された第18戦のオーストラリアGPでは、2戦を残してクアルタラロに14ポイントの差をつけてチャンピオンシップの新たなリーダーとなった。
セパンで開催された第19戦のマレーシアGPで素晴らしい勝利を収めてリードを23に広げたことにより、圧倒的に有利な状況で最終戦に臨み、9位でフィニッシュして、2007年にケーシー・ストーナーが獲得した最初のタイトルから15年後の時を経て、ドゥカティに2度目のワールド・タイトルをもたらした。バニャイアは、イタリアのトリノ出身の25歳で、ボローニャを拠点とするドゥカティにとって、歴史的な快挙となった。今シーズン、7勝、10回の表彰台、5回のポールポジションを獲得したバニャイアは、イタリアのマシンであるドゥカティ・デスモセディチGPを駆り、MotoGP世界選手権でチャンピオンに輝いた最初のイタリア人ライダーとなった。
最高峰クラスでこれを達成した最後の人物は、50年前の1972年にMVアグスタで500ccカテゴリーのタイトルを獲得したジャコモ・アゴスティーニだった。
バレンシアGPは、チームメイトのジャック・ミラーにとってドゥカティ・レノボ・チームとともに戦う最後のレースでもあった。3番グリッドからスタートしたオーストラリア人ライダーのミラーは、トップを走行して表彰台争いを展開したが、3番手を走行中の残り4周にクラッシュし、リタイアを余儀なくされた。ミラーは、ポールポジションに加え、1回の勝利と7回の表彰台を獲得したことにより、ライダーズ・ランキング5位でシーズンを終えた。
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム #63) 9位
「信じられないようなことを成し遂げることができて本当に嬉しいし、誇りに思う。ドイツGP終了時点で、ポイント・リーダーから91ポイント離れていたが、モチベーションを保って巻き返しを図り、ここバレンシアGPでタイトルを獲得することができた。僕たちは本当に強く、難しい状況でも対処できることを、チームとともに示すことができた。今日は、ファビオと接触した後、マシンのウィングが破損してしまい、本当に難しいレースとなった。その後は、かなり困難な状況で走行を強いられたが、結果には本当に満足している。また、シーズンを通して素晴らしいライバルとなった、ファビオを称えたい。尊敬しているライダーのファビオの前で勝てたことで、タイトルの価値をさらに高めることができた」
ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム #43) リタイア
「今日のクラッシュは本当に残念だった。アレイシ(エスパルガロ)がリタイアしたことは分かっていたので、懸命にプッシュした。25ポイントを獲得できれば、ライダーズ・ランキングで彼を抜いて、目標を達成することができた。残念ながら、スタートは思い通りにいかず、他のライダーがミスをしない限り、オーバーテイクするのは本当に難しい状況だった。しかし、“ペッコ”は決してあきらめず、最高のライダーであることを証明し、素晴らしいシーズンを過ごすことができた。このチームで素晴らしい時間を過ごし、チームのすべてのスタッフと良好な関係を築いてきたので、今回がドゥカティとの最後のレースになるのは少し悲しいが、今は今後のことに集中したい」
クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディングCEO)
「今日はドゥカティにとって素晴らしい日となった!ドゥカティ・コルセは、2度目のMotoGPライダーズ・タイトルを獲得するために、たゆまぬ努力を続けてきた。そして今日、それを手中に収め、胸が高鳴っている。ドゥカティスタの情熱はレースとともにあり、ドゥカティが歩んできた道もレースと密接に関係しているので、本当に嬉しい。まず最初に、ペッコを祝福したい。彼は、挽回が不可能に思えたときでも、決してあきらめることなく自分を信じて、素晴らしいシーズンを過ごしてきた。“三銃士”のジジ(ルイジ・ダッリーニャ)、パオロ(チャバッティ)、ダビデ(タルドッツィ)、そしてこの信じられないようなマシンの開発に取り組んできたドゥカティ・コルセとドゥカティ・レノボ・チームのすべてのスタッフ、そしてボルゴ・パニガーレの本社で働き、この感動を実現してくれたすべての従業員に感謝したい。ワールド・タイトルは、彼らとドゥカティスタ全員のものだ。長い道のりだったが、現在のチームは、かつてないほど高い戦闘力を備えている。今回の結果により、プレッシャーから開放され、これまで以上に集中して今後のレースに臨むことができる。これは、非常に重要なことだ。ドゥカティにとって、素晴らしい未来が開けていると確信している」
ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)
「ドゥカティ・レノボ・チームとともにワールド・チャンピオンを獲得することができて、最高の気分だ。このタイトルは、チームとドゥカティ・ブランドにふさわしい称号であり、ペッコの信じられないような才能と経験に加え、本当に優秀なエンジニアの献身的な取り組みと専門知識によって達成することができた。これまでのすべての仕事が、今日のタイトル獲得によって報われた。世界の頂点に到達した今、次のステップは、このポジションに留まることだ」
ルカ・ロッシ(レノボ・インテリジェント・デバイス・グループ・プレジデント)
「ワールド・チャンピオンを獲得したフランチェスコ・バニャイアとドゥカティ・レノボ・チームを祝福したい。ドゥカティは、2022年のMotoGPで素晴らしいシーズンを過ごし、3つのワールド・タイトルを獲得した。これは、チーム、ライダー、すべてのスタッフの献身的な働きによるもので、優れた対応力と革新力の賜物だ。ドゥカティとは5年間にわたってパートナーとしての関係を築き、イノベーションをリードし、より速く、より安全で、よりエキサイティングなスポーツに貢献できたことを誇りに思う。スピード、献身、チームスピリット、結果に焦点を当てるという共通の価値観に基づいて、ハイパフォーマンスの基準をさらに引き上げるために、今後も協力し続けたい」
フランチェスコ・バニャイア
GP出場回数:172(MotoGP×67、Moto2×36、Moto3×69)
GP初参戦:カタール2019(MotoGP)、カタール2017(Moto2)、カタール2013(Moto3)
優勝数:21(MotoGP×11、Moto2×8、Moto3×2)
GP初勝利:アラゴン2021(MotoGP)、カタール2018(Moto2)、オランダ2016(Moto3)
ポールポジション:18(MotoGP×11、Moto2×6、Moto3×1)
初ポールポジション:カタール2021(MotoGP)、フランス2018(Moto2)、イギリス2016(Moto3)
ワールド・タイトル:2(MotoGP 2022、Moto2 2018)
#PerfectComb1nation