1990年代、ITおよび携帯電話といったテクノロジーが急速に普及し始めました。インターネットとグローバリゼーションの時代ですが、ポストコンシューマーと呼ばれる時代の始まりでもありました。すなわち製品はニーズを満たすだけでなく、購入者のアイデンティティを表現するアイテムとなったのです。
製品のエモーショナルで象徴的な側面はモーターサイクルの世界にも見られるようになり、従来の大量生産システムでは、消費者のニーズを満たすことができなくなりました。モーターサイクルは、アイデンティティを表現する手段やステータスシンボルとしてだけでなく、自由な時間に乗って楽しむ、情熱的でプレミアムな乗り物へと変化していきました。
その結果、「Made in Italy/メイド・イン・イタリー」の礎石となる、洗練されたテクノロジー、優れたスタイルとデザインの重要性が高まってきました。そして芸術とモーターサイクルが出会い「M900モンスター」や「916」といった、ドゥカティの不滅のアイコンが誕生したのです。