2021年12月20日 ボルゴパニガーレ(イタリア、ボローニャ)
ドゥカティMotoEマシンが、ミザノ・ワールドサーキット・マルコシモンチェリのコースを初めて走行しました。ドゥカティは、10月に国際的な二輪レース選手権の主催者およびプロモーターであるドルナ・スポーツと契約し、MotoGP世界選手権の電動バイク・クラスであるFIM Enel MotoE™ World Cupに参戦するマシンを2023年シーズンから独占的に供給することを発表しました。
この電動モーターサイクルのプロトタイプは、「V21L」と名づけられ、ドゥカティeモビリティ・ディレクターのロベルト・カーネ率いるドゥカティコルセ・チームとドゥカティ研究開発エンジニアが開発しました。今回のテストでは、プロライダーであり、2013年からドゥカティ・テストライダーも兼任しているミケーレ・ピッロが、ドゥカティ初の電動モーターサイクルを走らせて、その技術特性やポテンシャルを評価しました。
ドゥカティeモビリティ・ディレクター、ロベルト・カーネ:「私たちは現在、本当に素晴らしい瞬間を体験しています。このプロジェクトが現実のものとなり、信じられない気持ちです!サーキットを初走行したドゥカティ初の電動バイクは、その独自性だけでなく、達成した仕事面においても並外れたマシンに仕上がっています。私たちは、高いパフォーマンス目標を掲げ、それを非常に短い開発期間で成し遂げました。チームの全スタッフが、このプロジェクトに専念し、数か月間にわたってハードワークを続けてきたことで、今日の素晴らしいテスト結果を得ることが可能になりました。開発作業はまだ途中で、道のりは長いことは理解していますが、今回のテストは、私たちにとって重要な節目となるものです」
ドゥカティ・テストライダー、ミケーレ・ピッロ:「サーキットでのMotoEプロトタイプの走行テストは、本当にスリリングな体験となりました。これは、ドゥカティの歴史における重要な新しい章のはじまりとなるものです。バイクは軽量で、すでに優れたバランスを備えています。また、スロットルを開け始めた瞬間の挙動や、エルゴノミクスは、ドゥカティのMotoGPマシンと良く似ています。エンジンサウンドがない点や、今回のテストでは出力を70%に制限したことを除けば、まるで普段のレースで使用している自分のマシンのように感じることができました」
電動レーシングバイクの開発における最も重要な課題は、バッテリーのサイズ、重量、航続距離をどのようにバランスさせるかとういことです。ドゥカティの目標は、ハイパフォーマンスであることはもちろんのこと、FIM Enel MotoE™ World Cupのすべての参加者が扱える、軽量なマシンを製作することです。
プロジェクトの焦点は、優れたパフォーマンス、重量の削減に当てられました。また、的を絞った冷却システムの開発により、レース中に安定したパワーデリバリーを得ることに成功しました。
FIM Enel MotoE™ World Cupにおけるドゥカティの経験は、今後の製品の研究開発における基盤となります。その目標は、テクノロジーが許す限り、スポーティで軽量、エキサイティングですべてのモーターサイクル・ファンを満足させることができる、公道走行可能なドゥカティ電動モーターサイクルを開発することです。